2024.06.14
【DPFを詰まらせない】idemitsu AshFreeを詳しく解説します!
北海道札幌市で潤滑油を販売している札幌アポロ株式会社です。
本まとめでは、2022年9月1日より販売開始された「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」について詳しくご説明させていただきます!
【目次】
1. 「idemitsu AshFree(イデミツアッシュフリー)」とは?
2. 規格&分析値
3. 対象車両と交換距離
4. 費用対効果
5. よくある質問
6. 購入・問い合わせはコチラから
7. 最後に
1.「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」とは?
「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」は2022年9月1日より出光興産がリリースした業界初のエンジンオイルの名称です。
ディーゼルトラックやバスに搭載される排ガス浄化処理装置(DPF)の目詰まりの要因となる灰を出さないオイルで、DPFの寿命延長によるメンテナンス費用の削減や労務時間・燃料使用量の削減を実現させます。DPFとは「Diesel Particulate Filter」の略で、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれるPM(Particulate Matter:粒子状物質)を補足して、クリーンな排気ガスに変えるフィルターです。
(↓日本ガイシ株式会社HPより画像引用(DPF)
一般的に使用されているエンジンオイルには、燃えると灰になる金属添加剤(清浄剤や耐摩耗剤)が含まれています(金属添加剤を入れることでエンジンオイルとしての性能を確保しています)。そのため走行距離が増えるにつれてDPFに灰が蓄積して詰まりが発生し、最終的には手動再生(強制燃焼)をするか、DPF自体の洗浄・交換が必要になります。
「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」は、灰になる金属添加剤(清浄剤や耐摩耗剤)をせず、独自の添加剤を加えることでエンジンオイルの性能を落とさずに灰をDPF交換を限りなく0にすることに成功しました。
2. 規格&分析値
(1)規格
「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」はJASO DH-2で制定されている全てのエンジン試験をクリアしているだけでなく、JASO DH-2規格(200 時間)より厳しい条件(300 時間)においても試験をクリアしています。つまり、従来の出光DH-2油と比較して、清浄/耐摩耗性においてより良い性能ということが証明されていますが、実際にDH-2規格を取得している訳ではございませんのでご注意ください。
(2)分析値
「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」のグレードは「10W30」のみのラインナップで、荷姿は200Lドラムもしくは20Lペール缶の取扱いです。分析値は以下の通りです。出光・エネオス・コスモの一般的なエンジンオイルと比較すると、「硫酸灰分(硫酸を使って灰分の量を求める試験)」の値が違うのが分かります。
3. 対象車両と交換距離
(1)対象車両
「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」の対象車両はトラック、集配車、パッカー車、バスです。
新しい車両の場合、DPFに灰が溜まっていないため、すぐに効果は得られませんが、継続使用することでDPFトラブル低減になります。
(2)交換距離
「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」は2万5千km以内のオイル交換が推奨されています。
出光の汎用的なディーゼルエンジンオイル「アポロイル マルチランナーDH-2」のオイル交換目安が3万kmですので、それに比べて少し早めの交換が必要です。
これは灰の原因となる金属添加剤(清浄剤/耐摩耗剤)を使用していないことが理由だと思われますが、これらを使用しなくても2万5千kmまで使用できるというのは出光の開発技術力があるからと言えるでしょう。
4. 費用対効果
「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」の価格は販売店によって異なりますが、価格は他のディーゼルエンジンオイルと比べて非常に高価ですが、それに見合う高い費用対効果が期待できます。
(1)DPF本体費用の削減
DPFの交換はオイル交換よりも費用が高額で、新品交換は車両によって100万円程度になることもあります。
「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」はこれらメンテナンスの費用を大幅に削減しますので、オイル価格以上の効果が見込めます。
(2)整備工場への入庫時間の削減
DPFを交換しないということはトラックの整備工場への入庫時間が削減できます。
整備している間の代替車両を用意する必要もありません。
(3)DPE手動時の待機時間&人件費削減
DPFの再生時間間隔が短くなると、頻繁に手動再生を行う必要があり、この回数が増えるほど労働の生産性は下がります。
配送の途中でトラックを停めたり、メンテナンスのために早めに出勤したり、といった無駄な時間を大幅に改善します。
(4)CO2削減&SDGs貢献
手動再生時のアイドリング時間削減、DPFの廃棄物削減、労働時間削減といったCO2削減、SDGsに貢献します。
5. よくある質問
【質問①】トラックもDPFも古いのですが、途中で出光アッシュフリーに切り替えても問題ありませんか?
→古いDPFでも途中で「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」に切り替えることで、それ以上灰が溜まることを防ぐ効果があります。逆に新しい車両の場合、DPFに灰が溜まっていないため、すぐに効果は得られませんが、継続使用することでDPFトラブル低減になります。
【質問②】トラック・バス以外の車両、例えば、乗用車(含むスカイアクティブ)、建機、発電機向けには使用可能ですか?
→現時点でトラック・バス以外での実証テストはおこなっていないそうです。ディーゼル乗用車、建機、発電機向けエンジンに本油をお使いになるのは、お控え頂けます様お願い致します。
【質問③】どの様な車両で効果が期待出来ますか?
→小型車、市街地走行(ストップ&ゴー)車で効果が出やすいです。また、総走行距離が長い車両(小型:10万km以上、中・大型:25万km以上)にて、短期間(1~3ヵ月)で効果を実感しやすい傾向にございます。
【質問④】「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」に切り替える場合、フラッシングは必要ですか?
→前油が残った状態ですと「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」の効果は得られにくくなります。高価で高品質なエンジンオイルですので、是非フラッシングされることをお勧めします。
【質問⑤】 DH-2規格ではなくても大丈夫か?
→「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」は、JASO DH-2にて規格されている塩基価(酸を中和させる為に処方)/硫酸灰分(灰となる添加剤起因))より低い為、DH-2規格には合致致しません。塩基価については、灰の原因となる金属添加剤を使用しないことにより、酸化安定性を高め、JASO DH-2規格より、塩基価が低い出光独自の添加剤を処方しているそうです。硫酸灰分については、灰分がDPFに悪影響を及ぼす為、DH-2規格制定時に、DH-1(例.1.6)より、低い1.0±0.1で規格定められました(低灰油)。「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」は無灰であり、DH-2硫酸灰分の規格を大きく下回っています。
【質問⑥】 EGRのデポジットも改善出来るのか?
→まだ検証結果はございませんが、蒸発量が少なく、高温安定性も優れていることから、EGRデポジット改善が期待出来ます。
【質問⑦】 15W-40、DL-1を発売する予定は?
→現時点では無いとのことです。
【質問⑧】「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」の資料はありますか?
→動画はこちら↓です。
→下記ボタンから直接ダウンロードお願いします。
製品資料はこちらからダウンロード(2022年9月5日時点資料)
安全データシートはこちらからダウンロード(2022年9月5日時点資料)
パンフレットはこちらからダウンロード(2022年9月22日時点資料)
6.購入・問い合わせはコチラから
「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」の購入方法は2つあります。
(1)札幌アポロ株式会社 販売課へのお問い合わせ(011-532-5711)
全国送料無料、メーカー直送、運送業のほか、工業、農業、林業といった各種潤滑油を取り扱っております。
お問い合わせは弊社販売課(011-532-5711)へお電話、もしくは下記問い合わせフォームからお願いします。
弊社は北海道札幌市にある会社ですが、Zoom・Teamsでのオンラインミーティングも可能です。
道外のお客様もお気軽にお問い合わせください。
(2)通販サイト「オイルの業務用通販 BASE OIL」から購入
全国送料無料、メーカー直送です。まとめて購入の場合などは事前に価格をご相談ください。
エネオス、出光、シェル、コスモ、モービル品取り扱っており、同等品や高性能品といった代替油種も一部掲載しております。
購入はコチラから(オイルの業務用通販 BASE OILへリンク)
7.最後に
いかがでしたでしょうか?
今回は2022年9月1日より出光興産がリリースした「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」をご紹介させていただきました!
燃費改善やCO2削減に積極的に取り組まれている運送会社の皆様にとって、エンジンオイルの切替は非常に有効な手段です。
これまでのエンジンオイルはいかに「省燃費or交換距離延長」するかがテーマでしたが、ご使用の車種・ルート・走行距離・走行条件によって期待された効果が得られない場合もありました。「idemitsu AshFree(イデミツ アッシュフリー)」はDPFに着目し、分かりやすく改善効果が見込めるエンジンオイルです。
今後、実車テストのデータ等も出てくると思います。ご興味あるお客様は1度 札幌アポロ株式会社 販売課(011-532-5711)へご連絡いただければお送りします。最後までお読みいただきましてありがとうございました。