2025.06.10
【まとめ】カーボンオフセットのプロパンガス?分かりやすく解説!【CO2排出ゼロ?】

カーボンオフセットLPGを分かりやすく解説します!
北海道内でガス・油燃料・潤滑油を販売する札幌アポロ株式会社です。
CO2排出を実質ゼロにする夢のようなプロパンガスである、「カーボンオフセットLPG」をどなたにでも分かりやすく解説します!
【目次】
1. 「カーボンオフセットLPG」とは?
2. どんな方に使って欲しい?
3. ご使用方法
4. クレジットの種類?
5. 「カーボンオフセットLPG」の導入事例
6. 購入方法
7. まとめ
1.「カーボンオフセットLPG」とは?
「カーボンオフセットLPG」とは、その名の通り「カーボンオフセット」した「LPG(プロパンガス)」のことで、中身は普通のプロパンガスです。
「それなら燃焼させればCO2が出るじゃないか」というご指摘はその通りですが、「出てしまったもの(CO2)を別の形で埋め合わせる(相殺させる)ことで、お客様はプロパンガスを使っても実質的にCO2を排出していなことにして良いですよ」という仕組みになっています。
(画像は 環境省HP “カーボンニュートラルとは”より引用)
CO2排出を相殺する方法は、例えば「植林する」「発展途上国のクリーンエネルギー導入を支援する」「CO2を排出する権利を買う」等がありますが、これはカーボンオフセットLPGを卸・販売する会社がやってくれますので、皆様は特に何かする必要はございません。
つまり、皆様は普段より少し高いプロパンガスを購入・使用いただくだけで、「私はCO2を排出していませんよ」と堂々と胸を張っていただけるということになります。
2.どんな方に使って欲しい?
先述した通り、CO2排出を相殺したカーボンニュートラルLPGは普通のプロパンガスよりも高価になるため、導入するにはメリットが必要です。以下の皆様はそのメリットを感じていただけると思います。
(1)温対法、省エネ法の対象者
2050年までのカーボンニュートラルの実現が求められている温対法の対象者や、エネルギー使用の合理化が求められている省エネ法の対象者には、設備を変更することなく温室効果ガスを減らすことが出来るカーボンオフセットLPGは即効性のある対策になります。

温対法と省エネ法の違い
(2)CO2排出量が多い企業(排出量取引やカーボンプライシングの影響がある企業)
GX推進法によってCO2排出量が年10万トン以上の企業は「排出量取引制度」の対象企業となりました。2026年から産業別に排出枠の割当がおこなわれ、達成できない場合は予期せぬ費用が発生する可能性があります。
また、2028年には企業のCO2排出に税金が課せられる予定になっています(いわゆる炭素税)。非化石燃料・省エネ燃料への転換が出来ない場合には、現状の設備をそのまま使うことが出来るカーボンオフセットLPGは非常に有効です。
(3)銀行や地方公共団体の入札で優遇を受けたい企業
地方公共団体には、温室効果ガス削減やカーボンニュートラルに取り組んでいる会社を支援する制度があります。
カーボンオフセットLPGの導入を機にこうした制度に登録することで、銀行借り入れの優遇や、各種入札への参加資格獲得、ポイントUPが期待できます。
リンク:【北海道】ゼロカーボンチャレンジャー(https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/gxs/zcc_gaiyou.html)
リンク:【札幌】エコメンバー(https://www.city.sapporo.jp/kankyo/management/ecomember/index.html)
(4)受注先からカーボンニュートラルへの取り組みを要請されている企業
モノがつくられ廃棄されるまでのサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量の捉え方として、「スコープ1」「スコープ2」「スコープ3」という分類方法があります。「スコープ1」「スコープ2」は自社の排出量のことを言い、「スコープ3」はいわゆる上流・下流の企業の排出量のことを言います。
サプライチェーン全体の温室効果ガスを削減するには当然「スコープ3」の削減も求められるため、もし自社の温室効果ガスの削減が必要無くても、受注先・取引先から「スコープ3」の削減を依頼される場合があります。
特に温対法・省エネ法の対象者や、CO2排出が年10万トン以上の企業が取引先の場合には注意が必要です。

スコープ1~3の説明
(5)環境配慮型経営を目指している企業
カーボンニュートラルLPGの導入は企業価値を向上させます。
地域への配慮、ブランドイメージUP、ビジネスチャンスの創出、従業員エンゲージメントの向上、労働環境の改善、人材獲得などの恩恵が見込まれ、会社の規模は関係ありません。
逆に温室効果ガスの排出量が少ない中小企業であれば、カーボンニュートラルLPGを使うことで最小限のコストでカーボンニュートラル化することも可能です。
リンク:【環境省】エコ・ファースト企業(https://www.env.go.jp/guide/info/eco-first/commitment.html)
3.ご使用方法
カーボンオフセットLPGの中身は普通のプロパンガスですので、特別な設備は必要ございません。
・現在 プロパンガスをご利用のお客様
プロパンガスの成分が変わるわけではありませんので、設備を変えずにカーボンオフセットLPGを導入いただけます。
・現在 重油等の燃料油をご利用のお客様
カーボンオフセットLPGをご利用いただくためには、燃料油用の設備からプロパンガス用の設備への変更工事が必要です。
燃料油でカーボンオフセットを希望されるお客様は「出光のカーボンオフセットフューエル(クリックでリンク)」のページをご覧ください。

札幌アポロ 重油からLPガスへの燃転画像
(画像は弊社で重油からLPガスへ燃料転換した設備)
4. クレジットの種類
CO2を相殺する権利=「クレジット」は大きく分けて2種類あります。
(1)「コンプライアンスクレジット」・・・国が主導しているクレジットのことで、経済産業省・環境省・農林水産省が運営する「J-クレジット」もこの中に入ります。
(2)「ボランタリークレジット」・・・民間が主導しているクレジットのことで、民間の決めた一定の枠組みの中で認められたものです。
温対法や省エネ法といった法律に対応したクレジットは「コンプライアンスクレジット(≒J-クレジット)」でなければいけませんが、あくまで自主的に削減したい場合には「ボランタリークレジット」でも構いません。カーボンニュートラルLPGを導入される場合には、そのクレジットの種類がどちらなのかを確認する必要があります。

コンプライアンスクレジットとボランタリークレジットの違い
5. 「カーボンオフセットLPG」の導入事例
導入事例の一部をご紹介します。
詳しくはアストモスエネルギーの導入事例(https://astomos-direct.jp/carbonoffsetlpg/)もご覧ください。

鴨川市 総合運動施設・国保病院
鴨川市 総合運動施設・国保病院 様
千葉県鴨川市の総合運動施設および国保病院にて、カーボンニュートラルLPガスの供給を開始。年間約56トンのCO₂排出を実質ゼロに。

株式会社日立ニコトランスミッション
株式会社日立ニコトランスミッション加茂事業所 様
- 動力伝達装置などの生産にカーボンオフセットLPガスを採用いただきました。

ゆうだい温泉株式会社
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ゆうだい温泉株式会社 様
- 2022年4月のリニューアルオープン時に使用設備を重油ボイラーからガスボイラーに交換するなど、これまでにもCO2排出量削減に取り組まれてきました。この度、環境問題への取り組みについて利用者の方に認知していただきたいという思いから、カーボンオフセットLPG導入に賛同いただきました。

道の駅グリーンファーム館山
道の駅グリーンファーム館山 様
- 施設内の給湯および空調で利用するガスについて、カーボンオフセットLPガスを採用いただきました。館山市施設『道の駅グリーンファーム館山』様は、同市のゼロカーボンシティ宣言を踏まえ、道の駅グリーンファーム館山でのカーボンオフセットを実現すべく、カーボンオフセットLPガスを採用されました。

前沢サービスエリア
株式会社三友 様(前沢サービスエリア 様)
- 岩手県最南端である前沢サービスエリアを経営されており、東北の魅力を最大限伝えることをコンセプトとし、地元の前沢牛や食材を使ったメニューやお土産を販売しておられます。今般カーボンオフセットLPGを導入いただき、サービスエリア内のGHPや厨房にて利用するLPガスのCO2排出削減を図られています。

佐賀インターナショナルバルーンフェスタ
佐賀インターナショナルバルーンフェスタ 様
- 「2022佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」にて、熱気球に使用するガスについてカーボンオフセットLPガスを採用いただきました。3年ぶりの有観客開催となった2022年の佐賀インターナショナルバルーンフェスタにおいて、熱気球の燃料としてカーボンオフセットLPガスをご導入いただきました。

山口県周防大島町
山口県周防大島町 様
- カーボンオフセットLPG導入を含め、町民の環境意識向上や学生の環境教育へ注力されております。カーボンオフセットや海洋汚染対策などの環境対応を推進される中、即効性のある取り組みとして庁舎や給食センターを含む町内7施設へカーボンオフセットLPガスを導入されました。

株式会社皆生グランドホテル
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株式会社皆生グランドホテル 様
1962年の創業以来、皆生温泉を代表する温泉旅館として、地元の方や県外客の多くの方が利用されています。
今般、環境問題にも取り組んでいる宿として利用者に認知いただきさらなる顧客満足度向上を図るため、カーボンオフセットLPガスをご導入いただきました。大浴場向け温水ボイラーや空調設備等で利用するガスのCO2排出量削減を図られています。
6. 購入方法
全国の「カーボンオフセットLPG」の購入に関する窓口はこちらです。
北海道から沖縄まで、是非お気軽にご相談くださいませ。
アストモスエネルギー 特約販売店
札幌アポロ株式会社 販売課
011-532-5711
hanbaimaga@sapporo-apollo.co.jp
7. まとめ
いかがでしたでしょうか?
「カーボンオフセットLPG」は、現在プロパンガスをお使いの企業にとっては設備変更や工事の必要なく、翌月からCO2排出を抑えることが出来るため、温室効果ガス排出量をすぐに削減したい場合に非常に有効な対策の1つになります。
2026年には排出権取引、2028年には炭素税が導入されるなど、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて国が本腰を入れ始めました。思わぬ費用を払うことのないよう、今から準備が必要です。
※現在燃料油をお使いの企業は「カーボンオフセットLPG」の燃料油バージョンである「出光カーボンオフセットフューエル(通称ICOF:アイコフ)」(クリックでリンク)のページも是非ご覧ください。