2026.05.12

金属加工の質を変える切削油(せっさくゆ)の 選び方と見極め方

金属加工の質を変える切削油(せっさくゆ)の選び方と見極め方

札幌アポロ株式会社 産業エネルギー課

この記事を書いた人

札幌アポロ株式会社 産業エネルギー課

出光テクニカルマスター潤滑油1級 / 2級機械保全技能士

油圧作動油・工業用ギヤ油・グリースなど幅広い潤滑剤の性能・使用・管理方法に精通した専門チーム。省エネ油の導入シミュレーションを通じ、企業の経費削減・カーボンニュートラル推進もサポート。

切削油とは?加工現場を支える「縁の下の力持ち」

概要と役割

切削油(せっさくゆ)とは、金属を削る・穴を開ける・研削するなどの加工作業において、工具と被削材(削られる材料)の接触部分に供給する液体のことです。英語では「Cutting Fluid(カッティングフルード)」とも呼ばれます。

「油」という名がついていますが、実際には油性タイプだけでなく、水で希釈して使う水溶性タイプも広く普及しています。金属加工の現場では「クーラント」「加工油」「切削液」などと呼ばれることもあります。

💡 ポイント:切削油は「消耗品」ではなく「加工精度・工具寿命を左右する重要な生産資材」です。適切な選択と管理が、現場の品質と生産性に直結します。

3つの大きな効果:冷却・潤滑・洗浄

切削油が果たす役割は大きく分けて3つあります。この3つの働きが組み合わさることで、高精度な金属加工が実現します。

🌡️
① 冷却効果

工具と金属の摩擦で発生する高熱を素早く除去。工具の焼き付きや熱変形を防ぎ、加工精度を維持します。特に水溶性タイプが優れています。

⚙️
② 潤滑効果

刃先と材料の摩擦を低減し、工具の摩耗を抑制。工具寿命の延長と切削抵抗の低下により、電力消費の削減にも貢献します。

🔄
③ 洗浄効果

切削によって生じる切粉(きりこ)を加工部から除去。切粉の噛み込みによる工具破損や加工面の傷付きを防ぎます。

── 切削油が現場にもたらす効果の連鎖 ──

冷却効果
熱を逃がす
潤滑効果
摩擦を減らす
洗浄効果
切粉を除去
✅ 高精度加工
工具寿命延長

切削油の主な2つの種類

切削油は大きく「水溶性」と「不水溶性(油性)」の2種類に分類されます。それぞれに特徴と得意な用途があるため、加工内容に応じた使い分けが重要です。

水溶性切削油(水で薄めるタイプ)

水溶性タイプ
エマルション・ソリュブル・ソリューション

原液を水で10〜50倍に希釈して使用するタイプです。冷却性能が非常に高く、NC旋盤・マシニングセンタなど大量の切削液を必要とする現場で広く採用されています。

✅ メリット 冷却性能が高い・視認性が良い・引火リスク低・コスト安
⚠ 注意点 希釈濃度の定期管理・pH測定・腐敗防止が必要
🔧 主な用途 NC旋盤・マシニングセンタ・研削加工・ステンレス/チタン加工

不水溶性切削油(そのまま使うタイプ)

不水溶性タイプ
ストレートカットオイル

原液のまま使用するタイプです。鉱物油や合成油をベースに極圧添加剤を配合しており、潤滑性・防錆性に優れています。精密加工や難削材の加工に高い効果を発揮します。

✅ メリット 潤滑・防錆性能が高い・精密仕上げ面に対応・管理がシンプル
⚠ 注意点 引火点の管理・廃油処理コスト・中東情勢による価格変動リスク
🔧 主な用途 歯車加工・ブローチ加工・タップ・ドリル・プレス・精密旋削

── 2種類の性能比較 ──

冷却性能

水溶性

◎ 非常に高い

不水溶性

△ やや低め

潤滑性能

水溶性

○ 良好

不水溶性

◎ 非常に高い

防錆性能

水溶性

○ 良好

不水溶性

◎ 非常に高い

💡 中東情勢と切削油の価格について:不水溶性切削油の原料となる原油価格は、中東情勢の影響を強く受けます。近年のエネルギー市場の不安定化により油性切削油の価格変動リスクが高まっています。水溶性タイプへの切り替えを検討することが、コスト管理の観点からも有効な選択肢のひとつです。


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自社の加工に合った切削油の選び方

被削材(削る材料)で選ぶ

金属の種類によって熱の発生しやすさ・切粉の出方・腐食リスクが異なります。材料に合った切削油を選ぶことが、品質と工具寿命の確保につながります。

被削材 特性 推奨タイプ
一般鋼・炭素鋼 加工しやすく汎用性が高い 水溶性◎
ステンレス鋼 熱が逃げにくく加工硬化しやすい難削材 水溶性(高濃度)◎
アルミニウム合金 熱伝導率が高く切粉が溶着しやすい 不水溶性(アルミ用)
チタン合金・超合金 熱に弱く工具へのダメージが大きい超難削材 水溶性(高冷却性)◎
鋳鉄 切粉が粉状になりやすい 不水溶性
銅・銅合金 変色・腐食に注意が必要 銅合金対応 水溶性

加工方法で選ぶ

加工方法 求められる性能 推奨タイプ
旋削・NC旋盤 冷却性・洗浄性(切粉除去) 水溶性
マシニングセンタ 高い冷却性・視認性・低泡性 水溶性(低泡性)
研削加工 砥石目詰まり防止・仕上げ面精度 水溶性(研削用)
歯車加工・ブローチ 高い潤滑性・極圧性 不水溶性(EP添加剤入り)
タップ・ドリル加工 潤滑性(刃先保護) 不水溶性または高粘度水溶性
プレス・鍛造 極圧潤滑・金型保護 不水溶性(プレス油)

【判別術】これが切削油?見分けるための3つのチェックポイント

購入する製品が本当に「切削油」かどうか判別するために、以下の3つのポイントを確認してください。

1
商品名にある「キーワード」を探す

商品名や製品パンフレットに以下のような用語が入っていれば、切削油の可能性が高いです。

カッティングオイル
クーラント
切削液
研削液
加工油
Cutting Fluid
ダフニーカット

2
「水で薄める」という記述があるか

「使用前に水で10〜50倍に希釈してください」「原液濃度○〜○%で使用」などの記述があれば、水溶性切削油です。一方、希釈に関する記述がなく「原液のまま使用」と書かれていれば不水溶性タイプです。どちらも正規の切削油であることに変わりありません。

3
用途に「金属加工」「NC旋盤」「マシニング」とあるか

製品の「用途・適用」欄に「金属の切削加工全般」「NC旋盤・マシニングセンタ」「旋削・フライス・研削」などの記載がある製品が切削油に該当します。「防錆用」「潤滑専用」などと書かれている場合は別の油種である可能性があります。


なぜ「札幌アポロ」の切削油が選ばれるのか? 導入のメリット

世界が認める出光「ダフニー」ブランドの圧倒的な製品力

🏆

札幌アポロが取り扱う切削油は、出光興産の「ダフニー」シリーズ。長年の研究開発に裏付けられた高い潤滑性能・冷却性能を誇り、国内外の精密加工現場で広く採用されています。水溶性・不水溶性ともに幅広いラインナップを誇り、あらゆる被削材・加工方法に対応可能です。

オイルの「寿命」を延ばし、トータルコストを削減

📉

切削油は適切な管理を行うことで寿命を大幅に延ばせます。札幌アポロでは、定期的な濃度管理・pH測定・腐敗チェックなどのサポートを提供。廃油コストの削減や工具寿命の延長により、長期的なトータルコストの最小化を実現します。省エネ油への切り替えシミュレーションも無料でご提供しています。

北海道の現場を知り尽くした、地域密着のサポート体制

📍

厳しい北海道の気候条件(低温・凍結・水質の違い)を熟知した専門チームが、現場に合った切削油の選定から導入後の管理まで一貫してサポート。「出光テクニカルマスター潤滑油1級」「2級機械保全技能士」を持つスタッフが、現場の課題に直接対応します。

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まとめ

切削油は、金属加工の精度・工具寿命・コストに直接影響する重要な生産資材です。今回の記事のポイントを振り返りましょう。

📌 この記事のまとめ

  • 切削油には「冷却・潤滑・洗浄」の3つの重要な役割がある
  • 「水溶性」と「不水溶性」の2種類があり、加工内容によって使い分けが必要
  • 被削材(材料)と加工方法の組み合わせで最適な切削油が決まる
  • 製品の判別は「商品名・希釈記述・用途欄」の3点をチェック
  • 適切な切削油の選定と管理が、工具寿命延長・加工品質向上・コスト削減につながる
  • 札幌アポロでは出光「ダフニー」ブランドの切削油と専門サポートを提供中

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