LPガス利用上の注意点

ガスメーター

LPガスのメーターには、マイコンメーターと呼ばれる高性能なコンピュータが搭載されたものが使用されています。マイコンメーターには、ガス使用量の測定機能だけではなく、ガスによる事故や危険の発生防止のための様々な安全機能が備わっています。警告やガスの遮断があった際には、メーター前面の液晶画面に異常の内容に対応した表示を行います。 緊急時に備えて、ご自宅のガスメーターの位置を把握しておくようお願いします(一部、マイコンメーターでないメーターがあります)。

マイコンメーターの安全機能(一部)

1.通常の状態

液晶表示:表示なし

安心してガスをご利用いただけます。

2.ガス器具を消し忘れた時に自動でガスを遮断する機能

液晶表示:ACガス止め

一定時間以上(器具により時間は異なります)、同じ量のガスが流れ続けた時にガスを遮断する機能です。

3.ガスの流れる量が異常に多い時にガスを遮断する機能

液晶表示:Cガス止め

配管や設備に損傷があり、一度に多くのガスが流れた時にガスを遮断する機能です。

4.震度5以上の揺れを感知した時にガスを遮断する機能

液晶表示:BCガス止め

ガス使用中に震度5以上の地震を感知した時にガスを遮断する機能です。
※メーター付近で振動の発生する工事等を行うと作動してしまう場合があります。

5.長時間わずかな漏れを検知した時に警告を表示する機能

液晶表示:B

長時間わずかな漏れを検知した時に警告を表示する機能です。表示のみ行い、ガスは遮断しません。

6.警報器がガス漏れを検知した時にガスを遮断する機能

液晶表示:BCガス止め

ガスメーターと警報器がつながっている場合のみ、警報器が鳴った時にガスを遮断する機能です。

ガスメーターの復帰方法

器具の長時間使用(ACガス止め)によりガスが遮断してしまった場合で原因が明らかなもののみ、お客様によりガスメーターの復帰作業が可能です(“ACガス止め”以外でガスを使用できない場合は、必ず管轄の営業所(担当営業所)または認定保安機関までご連絡ください)。
下記の手順に従って、ガスメーターの復帰を行ってください。

  • 1.器具のガス栓(元栓)を全て閉じてください。使用していない器具のガス栓(元栓)も閉じているか確認してください。
  • 2.ガスメーターの復帰ボタンを強く押し込んでください。液晶画面の表示内容が変わります。
  • 3.液晶画面の表示やランプが全て消えるまで待機してください。表示やランプの点滅中にガス栓を開き、器具を使用すると再びガスが遮断されます。ガスが再び遮断された場合は、お客様による復帰はできなくなってしまいますので、ご注意ください。再遮断してしまった場合や復帰ができない場合は、必ず管轄の営業所(担当営業所)または認定保安機関へご連絡ください。
  • 4.液晶画面の表示が消えたらガスメーターの復帰作業が完了です。安心してガスをお使いください。

※ガスメーターの復帰作業を行ってもガスの使用を再開できない場合は、管轄の営業所(担当営業所)または認定保安機関へご連絡ください。

各種警報器

警報器はガスや一酸化炭素(CO)等の漏れを検知し、音と光の点滅によってお知らせする機器です。警報器の種類によって、取り付ける場所が異なりますので、警報器が正しい場所に設置されているかご確認ください。
また、万が一、警報器が鳴った場合は、ただちにガスの使用を停止し、器具のガス栓(元栓)を閉じて、窓を開けるなど充分に換気を行い、必ず管轄の営業所(担当営業所)または認定保安機関へご連絡ください。

LPガス警報器

LPガスは、空気より重いため、万が一漏洩した場合は、床付近や物陰にたまる性質があります。そのため、LPガス警報器は、燃焼機器の同一室内、一番遠い燃焼器具から4m以内、床から30cm以内の壁面に取り付けます。

CO警報機

一酸化炭素(CO)は、器具の経年やガスバーナーの変形により、ガスと空気の混合がうまくいかず、不完全燃焼を起こした時に発生します。一酸化炭素(CO)の重さは空気とほとんど同じですが、主に燃焼時に発生するので、暖められた空気と一緒に天井付近にたまります。そのため、CO警報器は、燃焼機器の同一室内、一番遠い燃焼器具から4m以内、天井から30cm以内の壁面に取り付けます。

火災警報器

火災警報器は、火災時の熱や煙を感知するため、天井や天井に近いところに取り付けます。設置位置や設置数については、各市町村の火災予防条例に従ってください。

給湯器の使用と換気

FE式ガス機器やCF式ガス機器と換気設備の同時使用禁止

FE式(室内の空気でガスを燃焼させ、排気を強制的に屋外へ排出する構造)またはCF式(室内の空気を使ってガスを燃焼させ、排気を自然通気によって屋外へ排出する構造)のガス機器とレンジフードや換気扇等の換気設備は同時に使用しないでください。
ガス機器の排気能力よりも換気設備の排気能力が高い場合が多く、同時使用中に一定の条件が整うと、排気が室内に逆流してしまう可能性があり危険です。

高気密構造の住宅の換気

高気密構造の住宅で、ポータブルストーブと開放式(排気筒のない構造)のガス機器を同時使用すると、室内の空気を大量に消費してしまいます。1~2時間に1回5分程度、窓を開ける等をして、お部屋の空気を新鮮な空気に入れかえることをおすすめいたします。

小型湯沸器の使用に関する注意

台所等に設置されている開放式の小型湯沸器は、シャワーやお湯張り、洗濯機への給湯等、取扱説明書等に記載されている目的以外で使用しないでください。湯沸器の使用中は、多量の空気を必要としますので、窓などを開け充分に換気を行ってください。また、使用中に3回連続で不完全燃焼防止装置が作動すると、湯沸器本体内のインターロック機能が働き、安全のため湯沸器の使用ができなくなります。この場合、お客様での復帰はできませんので、必ず管轄の営業所(担当営業所)または認定保安機関へご連絡ください。

設備の点検・確認

排気筒

長期間使用していなかったガス器具を使用する際は、排気筒に異物が詰まっていないか確認した上でご使用ください。また、雪等によって排気筒が埋まってしまうと、正常に排気ができないおそれがあり危険です。日常的に点検・確認を行ってください。

ゴムホース

器具のガス栓(元栓)とガスコンロ等を接続するゴムホースは、経年により劣化すると固くなりひび割れ等が生じるおそれがあります。取付け状況により異なりますが、4年が交換の目安です。石けん水等をゴムホースの表面に塗る等して、日常的に点検を行ってください。取付けの際は、ゴムホースを器具のガス栓(元栓)の赤い線までしっかりと差し込み、ホースバンドでしっかりと固定してください。また、折れやねじれのないように取り付けてください。

燃焼状態

LPガスは、通常、青色の炎で燃焼しますが、器具の経年劣化やバーナー(燃焼部)の変形によって、ガスと空気の混合がうまくいかない場合は、赤色の炎で燃焼(不完全燃焼)します。不完全燃焼以外でも、着火・消火の際に異音がする等、燃焼状態が異常だと感じられた際は、管轄の営業所(担当営業所)または認定保安機関へご連絡ください。

給湯器等の水抜き

冬場は、給湯器等の水が凍結し、給湯器本体内の配管等の破損事故につがなる恐れがあります。外気温の低い日や数日間家を空ける際は、必要に応じて給湯器本体や水道配管内の水抜きをし、凍結防止を行ってください。

器具の交換時期

ガス器具の交換時期は、設置や使用の状況によっても異なりますが、製造から10年程度といわれています。特に、12年以上経過した器具については、部品製造が終了している場合が多いため、故障の際は新しい器具への交換をおすすめしております。
尚、平成21年4月1日、消費生活用製品安全法改正により、長期使用製品安全点検・表示制度が施行されております。現在使用しているガス器具が特定保守製品に該当している場合は、経年劣化による事故を防止する為、一定期間経過した際に器具メーカーでの点検を受けていただく必要がございます。